みかんいろの月

Kis-My-Ft2の横尾さんがダイスキデス。

君の名前をずっと呼びたい

同じ人間であることが疑わしくなってくるぐらい、私と横尾さんの間には共通点がないのですが、それでも1つだけ共通点を挙げることが許されるならば、それは「人の呼び名を突然変えること」。例えばこういうことです。

 

突然人の呼び方を変えることについて、横尾さんはこのように語っています。キスマイRadioの1人パーソナリティー回で、玉森さんについて語った時です。

僕ってメンバーの名前をころころころころ変えてるそうです。普段は「裕太」って呼んでるんですけど、なぜ「裕太」って呼び始めたのかなって思ったら、自分でもよく分かんないんですよね。もともとは「玉ちゃん」とか「玉森」とかだったんですけどね。多分みんな混乱すると思うんですよ、俺の話を聞くと。ラジオの最中でもずっと、「玉ちゃん」言えば「裕太」言ってるし「玉森」言ってるし、いろんな名前で言ってるんで、皆さんには、ごめんなさいなんですけど、そこは付き合ってもらいます。(2012.11.7キスマイRadio)

玉森さんのことだけじゃなくて、横尾さんが、メンバーの呼び方を、自由自在にコロコロ変えるのは、キスマイファンにとってはおなじみの光景です。

そうしたい気持ち、とてもよくわかります。私も、学生時代は人の呼び名を唐突に変えては、相手や周りを困惑させてました。で、周りがつられて同じように呼び始めるとまた突然変えたり。今は、職場ではやりませんが、学生時代の友人に会ったときや家族にはやってしまいます。呼び方の基準は、人には説明はできないけど、自分の中では理屈があるんですよね。「今はこの呼び方」というこだわりが。

 

キスマイBUSAIKU!?の中でも、横尾さんが名前の呼び方にこだわっている場面が随所に見られます。例えば、2016年2月1日「彼女との交際が親友にバレた時の対処法」回。交際がバレた時「俺マイコさんと付き合ってるんだよね」「俺にとってもマイコさんにとっても、裕太(玉森さんが親友役だった)は大事な人だからさ、絶対言わなきゃいけないと思ったんだけど」と、親友の気持ちをおもんばかってマイコに「さん」づけしておいてからの、「でも俺、マイコのことを絶対幸せにするから、だから応援してくれよ」のマイコ呼びは、コメントでもスタジオでも絶賛されて1位でした。(マイコ=「キスマイBUSAIKU!?」での彼女の役名)

 

5月9日の「同窓会で親友と結婚する元カノを祝福」回でも、今は親友の婚約者となった元カノのことを「マイコさんが…」と「さん」づけで呼んで、ちゃんと距離をとっていました。 (他のメンバーは、玉森さんと北山さんがいっさいマイコの名前を出さなくて、藤ヶ谷さん、宮田さん、千賀さん、二階堂さんが「マイコ」呼び。)

 

直近の放送(5月23日)でも、結婚式直後の花嫁にかける言葉で「今日記念日じゃん。横尾マイコになって初めてのプレゼント渡したいなと思って」と、メンバーの中で横尾さんだけが、結婚によって彼女の名前が変わることについて触れていました。

 

横尾さんは三人兄弟の末っ子なんですけど、お母様は長男を産むときに、不思議な夢を見て三人兄弟になることを予感し、初めから三人の名前を並べると一つの意味になるように名前をつけたそうです。そんな家族との強い絆を感じさせてくれる名前を持った横尾さんは、きっと自分の名前に愛着と誇りを持っているにちがいありません。そんな横尾さんだから、誰かの名前を呼ぶ時にも、その呼び方が相手や周りの人に与える印象を考えて、一番ふさわしい呼び方を選択しているのだと思います。

 

キスマイBUSAIKU!?2015年11月16日「失恋した先輩に思いを伝えるラブソング」回で、横尾さんが作詞したラブソングはこのようなものでした。

どんな時もずっと どんな時でもずっと

僕はそんな君の名前をずっと呼びたいから

これからずっと 

コメントでは「『ずっと』多すぎ!」「なんかウケる」と嘲笑されて、6位だったわけですが、今ならわかります。名前を大事にする横尾さんにとって、名前を呼ぶということは、何よりの愛情の示し方だということが。

 

古語辞書で「呼ばふ」を引いてみると、(1)呼び続ける、何度も呼ぶ(2)言い寄る、求婚する とあります。大昔、女性は自分の本名を家族以外にはめったなことでは明かしませんでした。名前はその人そのものだったからです。名前を呼ぶことを許すのは、身も心も許す相手であり、相手そのものである名前を何度も呼ぶという行為は、求愛を意味していました。もちろん横尾さんはそんなことを意識しているはずもありませんが、名前の持つ神聖さを、無意識の中で感じているのかもしれません。

 

そんな横尾さんですが、コンサートのMCで母親に何と呼ばれているかという話題の中で、こう話していました。

俺、「三男坊」。長男、次男いて、犬いっぱいいるから、俺の名前行くまですげえ時間かかるわけ。間違えるから。親父は「末っ子」って言うし。(2015.9.13KIS-MY-WORLD)

人の名前はこだわりを持って呼ぶのに、自分は雑に呼ばれている横尾さんが、愛おしくてたまりません。