みかんいろの月

Kis-My-Ft2の横尾さんがダイスキデス。

笹を切る人 ――7月7日横尾さんの俳句に寄せて

祝!昇格!!皆さんご覧になりましたか?7月7日のプレバトを!!

 

前々回までの横尾さんの俳句の軌跡はこちら 

mikanmoon.hatenablog.com

 

 前回の横尾さんの俳句はこちら

mikanmoon.hatenablog.com

こうやって並べてみると、最初は言葉のセンスで詠んでいたのが、だんだんと古語文法や俳句の技巧を覚えて使えるようになり、最近また古語や技法に頼らずに、平易な言葉で、でも他の人にはない発想力や言葉の選択で俳句を作るようになった横尾さんの進化が見てとれて感無量です。

 

 

そして、今回の俳句。

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2016.7.7 お題「七夕」

 

許されて 寺の笹切る 星祭

 

特待生昇格試験(2級昇格)

季語:星祭(秋)

※古語においては旧暦の7月は秋なので「七夕」や「星祭」は秋の季語とされていますが、最近では現代の暦に合わせて夏の季語とする説もあるようです。

星祭…「七夕」の別名。体言止めにより余情を残す。

 

 

まず「許されて」の語感!読み手は絶対に「何が?」って興味をひかれて続きを期待せずにはいられない。仕事を怠けた罰として1年に1度しか会えなくなった織姫と彦星のこともほうふつとさせます。「七夕」というお題を知っていたなら、意外性のある上五に驚かされるし、お題を知らないで見たなら、だんだんヒントが与えられていって、最後の「星祭」で答えが明らかになるクイズのような面白いしかけ。

そして、華やかな七夕祭りの写真を見て、カラフルな短冊でもなく、艶やか浴衣でもなく、祭りの準備の「笹を切る」っていう作業をテーマにする、この横尾さんの感性!

しかもその笹を切ってくる場所が寺っていうのがもう!住職さんに「命ある植物だから、大切に扱うんだよ」って言われて、命の重みを思い知る七夕祭。これが実体験じゃなかったとしたら、ストーリー描くの天才過ぎませんか!?

でも命の重みを強調するんじゃなくて、華やかでロマンチックな七夕と、寺で笹切ってくるっていう庶民っぽくて地味な動作の対比におかしみも感じさせるし、「星祭」っていう言葉は美しくてファンタジーを感じさせるし、読み返せば読み返すほど、いろんな味わいがあります。

夏井先生も「特待生の確かさ」「生き生きと描く力がついてきた」「上手になった。お見事」とべた褒めする文句なしの昇格!!

 

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プレバトで俳句を披露するたびに、横尾さんの発想力にはいつも驚かされます。七夕で一句詠めって言われて、笹を切るところに焦点を当てる横尾さんの心の在り方が大好きです。

先日発売されたキスマイのアルバムの特典映像でも、MV撮影で自分の出番が終わった時に、制作スタッフさんやエキストラさんにきちんとお礼を言ったり、ロケバスから降りる時に運転手さんにきちんとお礼を言ったりしていた横尾さん。コンサートでも、他のメンバーが「声出せ!」とか「盛り上がっていこうぜ!」とか叫んで、ファンをワーキャー言わせている中、いつも「ファンの皆さん、スタッフの皆さん支えてくださってありがとうございます」というようなことを言って、全くファンに声を発する隙を与えない横尾さん。そんな、いつも陰で支えている人の存在に光を当てる横尾さんのファンになってよかったと心から思います。

そして、いつも大きなカバンを持ってメンバーに忘れものを貸したり、コンサート中は花道に落ちている銀テープをローラースケートに絡まないように回収したり、MC中メンバーの話を黙って聞いていて、話が変な方向に行きそうになると軌道修正したりする横尾さんは、キスマイを七夕祭りに例えるなら「笹を切ってくる係」なのかもしれません。一番地味な、でもなくてはならない大切な係。 

 

もし願い事が一つだけ叶うなら、笹を切るような地味だけど大事な仕事に、真摯に取り組んでいる人にスポットが当たりますように、と願った七夕の夜でした。