みかんいろの月

Kis-My-Ft2の横尾さんがダイスキデス。

風のとおり道―――10月12日横尾さんの俳句に寄せて

金秋戦2位ー!!ありがとうございます!!自慢の自担です!!

横尾さんの言葉が何よりも好きな私としては、8月から3か月連続でプレバト!!で横尾さんの俳句が披露されて、本当に幸せです。でも番組のたびに相当プレッシャーがかかるだろうから、今日は金秋戦2位で横尾さんの笑顔が見られてほっとしました。

 

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2017.10.12 お題「紅葉」

千年の 樹海の風と 枯葉の香

 

金秋戦2位(8人中)

季語:枯葉(冬)

千…数字であるとともに「途方もなく多い」ことを表すこともある

樹海…高所から見ると海のように見える大きな森林

香...体言止めで余情を残す

 


まず「樹海」と聞いて思い出したのが、去年の夏、ワンだランドで横尾さんが富士山麓に昆虫採集に行った回。あの時、コナラの森でカブトムシに悲鳴を上げ、アサギマダラに電話番号を書いて放した後、樹海にも行ったのですが、樹海には生き物の気配はなく、溶岩樹型(木を鋳型として溶岩が固まった穴)に入っても生き物を見つけることはできなかったのでした。暗くて、狭くて、寒い溶岩樹型の中で、横尾さんは風と、枯葉の香を感じていたのだと思います。(今にして思えば、オバケ怖い、真っ暗だと眠れないという横尾さんが溶岩樹型の中に先頭切って入っていかなければならないなんて、どんなに恐ろしかったことか…)それが1年を経て俳句になるというこの美しさ。TVnaviの夏井先生との対談の中で、夏井先生が横尾さんの俳句に足りないのは「本人らしさ」「今しか詠めないという青春性」とおっしゃっていましたが、地味だし、横尾担しか気づかないけど、これが「本人らしさ」と「青春性」だ!!と思いました。

 

番組の中で、東国原さんの不穏な空気の俳句がすばらしいという話がありましたが、私は今日の横尾さんの俳句にぞわっとしました。「千年」という気が遠くなるような長い時間。生き物がほぼ生息せず、夏でも寒い「樹海」とそこに吹く冷たい「風」。もう命が失われた「枯葉」…。俳句を作る時は、その兼題写真の中に自分も入って行って実感することだと、よく夏井先生はおっしゃっていますが、横尾さん、そんなところで何してるの?と思ったら、胸がしめつけられるような気持ちがしました。同じ紅葉の写真を見ても、星月夜に行くロマンチックな千賀さんとは好対照だと思います。でもそこで、風を感じ、枯葉のかすかな香りを感じ、悠久の時に思いを馳せる横尾さんの感覚は、確かに温かい。

 

夏井先生からご指摘があったように、二つの名詞を「と」で結ぶというシンプルな型は横尾さんの俳句では初めてですし、「風」「枯葉」「香」と同じ音を重ねてリズムを作る俳句も初めてです。今までは季語の選び方が特徴的だった横尾さんが、ここ3作では季語を「夏座敷」「秋の暮」「枯葉」と比較的よく使われるものにしています。さらにここ3作は、動詞を使っていないことも共通しています。偶然かもしれませんが、さらなる高みを目指して、今までのスタイルを封印して、新しい俳句の作り方にチャレンジしているような気がして、この先、どんな俳句にたどりつくのかとても楽しみです。

 

もう一つ、うまく説明できないけれど、私はこの俳句に、ものすごく「ジブリっぽさ」も感じました。(正確には「ジブリ宮崎駿作品っぽさ」か。)悠久の時の流れ、樹海や森、木々をゆらす風、枯葉のかさかさいう音は、「風の谷のナウシカ」や「となりのトトロ」や「もののけ姫」などの世界と通じるような気がします。「キスマイ魔ジック」では「ジブリ横尾」の異名がついたほど、ジブリ大好きな横尾さん。どんな新しいチャレンジをしても、過去のスタイルを捨てたとしても、やっぱり残る横尾さんらしさが好きです。目に見えない風が、横尾さんの挑戦を新しい世界へ運んでいってくれますように。