みかんいろの月

Kis-My-Ft2の横尾さんがダイスキデス。

暗い森を抜けだせば、ほら ―――6月7日横尾さんの俳句に寄せて

祝!9カ月ぶり昇格ー!!

 

横尾さんがプレバト!!の俳句査定で2段に昇格したのは昨年の9月。そこから通常回は2回連続現状維持で、タイトル戦では5位、7位の憂き目も見て、夏井先生にも「映像を切り取るというところに戻ってきて」と心配されていた横尾さん。久しぶりの登場となる今回、どんな俳句を詠むのか、1週間前からドキドキしていたところへ、前日にプロデューサーの水野さんが、ツイッターで「キスマイ横尾、番組初の追悼句にチャレンジ」とか言うものだから、つ、つ、追悼句!!??と、もう何も手につかず、軽くえずきながら19時を迎えました。

 


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2018.6.7 お題「梅雨の駅」


おもひではぽろぽろ 遠い二重虹(ふたえにじ)


名人3段昇格
季語:二重虹(夏)
二重虹…二重に見える虹。体言止めで余情を残す

 


俳句披露の前に横尾さんは「分かってくれる人は分かってくれるんじゃないかなと思います」っておっしゃったけど、もちろんすぐわかった。「おもひでぽろぽろ」4月にお亡くなりになったスタジオジブリ高畑勲監督の作品。「ぽろぽろ」という擬態語は、作品名を指すだけでなく、高畑監督作品の想い出があふれ出てくる様子や、訃報に接して涙がこぼれる様子、雨が降る様子が重なります。

 

夏井先生もほめていらっしゃいましたが、「遠い」という言葉!よくこの言葉を持ってきたなあと感動しました。凡人だったらたとえ「虹」を思いついても、「きれいな」とか「光る」とか、美を表す言葉を入れてしまいそう。それが、「遠い」という言葉を使うことで、映像を的確に表すとともに、お亡くなりになって遠くに行ってしまったということや、偉大な方であったという敬意も込められているように感じました。今まで夏井先生に「主観的すぎる」とか「説明的すぎる」とか言われてきたことを、見事に消化した言葉遣いだと思います。

 

「二重虹」というのは、珍しい、ありがたい現象。それと同時に私はジブリの二大巨頭である高畑勲監督と宮崎駿監督のことを思いました。「おもひでぽろぽろ」は高畑さんが監督で、宮崎さんは製作プロデューサー。ナウシカラピュタは宮崎さんが監督で、高畑さんがプロデューサー。「おもひでぽろぽろ」以降、共同で作品を作ることはなくなってしまいましたが、二人は競い合うように次々に傑作を生みだしました。お互いの存在なくして、スタジオジブリは、日本のアニメーションはこれほど発展することはなかったと思います。その二人が二重の虹に重なるような気がしました。

 

そしてキスマイも、メンバーが7人であることからよく「虹」に例えられたりします。Yummy!!ツアーでも横尾さんがデザインしたマスクケースは虹が描かれていて、横尾さんが俳句に「虹」を詠もうとした時に、キスマイのことが頭をよぎらなかったはずがないと思うのです。そう考えると、切磋琢磨して高め合う二重虹とは、キスマイと他グループのことだったり、舞祭組と「まえあし」のことだったり、俳句で良きライバルとなった千賀さんと横尾さんのことだったりするのかもしれません。

 

結果はもちろん昇格!「ジブリ横尾」の異名を持つほど大好きなジブリのことを詠んだ句で昇格したこと、素直な描写に立ち返って昇格したこと、本当に嬉しく思います。夏井先生にも「今夜は美味しいお酒が飲めそう」と言っていただいて、本当に横尾さんのこと心配してくださっていたのだと思いました。9か月も現状維持で、横尾さんはどんなに辛かったかと思うけれど、きっともう大丈夫。スランプという暗い森を抜けだせば、ほら、七色の虹!*1

 

 

 

*1:Kis-My-Ft2「ツバサ」