キスマイ絵画
絵を見るのが好きで、美術館に行けない時は、Google Arts&Cultureというアプリを眺めています。このアプリに、自分の写真を撮ると、自分と似ている絵画の人物を自動的に見つけてくれる機能があるのですが、残念ながら日本では利用できないサービスなんです。最近、ちょっと海外に行く用事がありまして、もしかして使えるかもと思って起動してみたら使えたので、キスマイに似ている世界の絵画を検索してみました。保存してある写真は使えなくて、その場で撮る写真しか使えないので、その時持っていたShalalaの時のプロフィール写真を使いました。
個人的に納得いく→納得いかない順です。
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藤ヶ谷さん
Niccolo Renieriの
「Musical Society」
(リガ証券取引所美術館 ラトビア)
この絵の
この人。
鼻筋の通った感じとか口の感じとか似ているといえなくもない。漂う気品と色気も。
レニエリ(レニエ)は、バロック時代のイタリアの画家らしいです。やっぱり藤ヶ谷さんはバロックの貴族だったか。
え?似てるってこんなもん?と思った方。こんなもんです。ここからどんどん似てなくなります。寛大な心でお楽しみください。
宮田さん
小早川清の
「旗亭涼宵」
(福岡市美術館)
いや、なんでだよ、と思うのですが、よく見てみると、各パーツが全部曲線でできている温和な感じとか、清楚な中に隠し切れない色気がにじみ出ている感じとか、確かに宮田さんに似てなくもない気がしてくる。
小早川清は大正から昭和初期にかけて活躍した日本画家で、旗亭とは料亭のこと。人気歌手だった市丸という人をモデルに描いているそうです。アプリでは福岡市美術館蔵となっていましたが、調べてみると島根県立岩見美術館にあるらしい。
二階堂さん
Jean Bernardの
「Hoofd van jongen met hoge hoed」
(アムステルダム国立美術館 オランダ)
各パーツは全然似ているとも思えないのだけれど、なんとなく全体から感じる意志の強さや、何か企んでいる感じとか、利発そうな感じとか、雰囲気は確かに二階堂さんに似てる気はする。
タイトルは「山高帽の男の子の頭部」という意味。作者については調べても全然わかりませんでした。本の挿絵なのかしら。
千賀さん
BToyの
「Louise Brooks」
(Street Art)
なんで?と思うけど、目のぱっちりした感じや髪の毛サラサラな感じとか品のある感じとかは、まあわからなくもない感じ?もうこの辺から「似ている」とは何なのか全然わかんなくなってくる。
BToyはスペインのアーチスト、アンドレア・マイケルソンがストリートアートを作成する時の別名だそうです。この作品も美術館蔵ではなく、ストリートに描かれたものだと思われます。描かれているルイーズ・ブルックスは1920~30年代に活躍したアメリカの女優だそうです。
横尾さん
木村荘八の
「壺を持つ女」
(愛知県立美術館)
いやもうどうなってんの?このアプリ。何でこの人こんな曇天に屋外で壺持って不敵に微笑んでるの?この壺何が入ってんの?なんで赤い着物に青のショールなの?似てる似てないは全くわかんないけど、絵の圧がすごくて、気になりすぎる。
木村荘八は明治生まれの洋画家。この絵は奥さんがモデルだそうです。「横尾さん似の妻」というワードのインパクトよ。愛知県立美術館は、今、改装で閉館中だけど、再開したら観に行きたい。常設展示じゃなさそうだけど。
玉森さん
Gwendolyn Jacksonの
「Mechanical Toy」
(ナショナルギャラリー アメリカ・ワシントン)
似てるとか似てないとか言う前に、どういう主旨の絵?世の中には、構図が優れているとか、色彩感覚がすばらしいとか、本物と見紛うほど写実的とか、誰も思いつかない技法を使っているとか、いろんな評価があって、美術館に絵が所蔵されるのだと思うのですが、この絵は何なんだろう。調べたけど、1939年の絵ということ以外、画家については何もわかりませんでした。
北山さん
He Duoling、Ai Xuanの
「The Third Generation」
(龍美術館 中国・上海)
この絵の
この人。
だ、誰??!!私の写真の撮り方の角度とか光の入り方とかが悪いのかと思い、何度もやり直したのですが、何度やっても出てくる謎の人物。AIの限界を見た。
He DuolingとAi Xuanは中国の画家で、二人の共作ということらしいです。文化大革命後の自分たちの世代を「第三世代」と位置づけ、自分の道を行くことができるという意思を表しているらしいですが、それにしても誰?
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というわけで、このアプリによると、キスマイ7人中4人が女性らしいです。思ったよりは似てなくて残念だけど、絵っておもしろい。実物を見に行きたくなりました。もちろん違う写真だと違う結果になると思うし、データベースもどんどん増えて、検索の精度も上がっていくらしいので、早く日本でもこの機能が使えるようになってほしい!!
―――以上、秋野不矩作「姉妹」に似ている女がお贈りしました。