みかんいろの月

Kis-My-Ft2の横尾さんがダイスキデス。

月明かり強く光れ ―――9月27日横尾さんの俳句に寄せて

ついこの前まであんなに暑かったのに、もうこんなに涼しくて、先月炎帝戦があったばかりなのに、今日はもう金秋戦。6月、7月、8月、9月と4か月も連続で横尾さんの俳句を読めるのは嬉しいけれど、俳句作るのにかなり消耗すると思うから、横尾さんのメンタルを心配しつつ、プレバト3時間スペシャルを見ました。

 

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2018.09.27 第2回金秋戦 お題「ポスト」

 

ニュータウンの剥げたポストや降り月

 

季語:降り月(秋)

ニュータウン…高度成長期に、都市部に通勤する人の住居として、郊外に新たに建築された街

や…切れ字。言い切る働きをし、詠嘆を表す

降(くだ)り月…満月を過ぎ、次第に欠けてゆく月

 

 

まずは、「ニュータウン」という意外過ぎるうえに字余りでインパクトのある上五で読む人の心をつかんで、「剥げたポスト」という哀愁を感じさせるお題の語へ移行し、それを包む暖かな月の光で句をまとめる。街を見渡す遠景から始まって、ポストに一気にズームインし、それを照らす月ということで視点が上に移動しながらまた広がる。光景の描き方が、切なく美しい句だと思いました。

 

日本の高度成長期を支えるために、都市の人口の受け皿として建設されたけれど、その役割を終えつつあるニュータウン、そして役割をメールやSNSに取って代わられ、使われる機会が少なくなったポスト。この俳句を読んで、ふと東京タワーのことを思いました。日本の戦後復興のシンボルであり、日本の経済成長を支えたけれど、スカイツリーの完成で、テレビ電波送信の役目を終えた東京タワー。そんな東京タワーを見て、「道しるべ」の合宿の中で、宮田さんが「なんかさ、東京タワーってすげーいいなって思ったの。東京タワーってなんかちょっと舞祭組っぽいなって」とおっしゃったのでした。

 

10月3日に発売される、Kis-My-Ft2のニューシングル「君、僕。」はメンバー一人一人が自分のメンバーカラーが入った歌詞をソロで歌うのですが、横尾さんが歌うのは「オレンジのタワー見上げる横顔ずっと守りたい」。横尾さんは、一番目立つところにいるわけではないかもしれない。この時代に苦労して勉強して何時間もかけて俳句を作って、何か月かに一度数分テレビに出るなんて、効率が悪いかもしれない。でもそんな東京タワーのような横尾さんだからこそ持っている、弱いものへのあたたかいまなざしを、この俳句から確かに感じて、心が温かくなりました。

 

夏井先生の評価は「ニュータウンや剥げたポストのイメージと、降り月のイメージが近すぎる。もっと月の光を強くしてコントラストをつけた方がよい」ということで、「月煌々」という季語を提示されました。そういえば今までの横尾さんの俳句って、二つの物を取り合わせた俳句でも、あまり意外性のある取り合わせってなかったような気がします。しかし、横尾さんと言えば「意外性の人」。今日の横尾さんの紹介の時のBGMの「ConneXion」の中で「あけてみたーくなーい」と超高い声で歌っているのが、この渋い着物を着て、渋い俳句を作り、渋い顔をして先生の説明を聞いている横尾さんその人だとは、キスマイファン以外の人はまさか思ってもいないことでしょう。先生のアドバイスを受けて、横尾さんの俳句は絶対にもっと進化すると思う。そうなるまで、私はオレンジのタワーをずっと見上げていたいと思います。 

 

君、僕。(CD+DVD)(初回盤A)

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君、僕。(CD+DVD)(初回盤B)

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君、僕。(SG)(通常盤)

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