みかんいろの月

Kis-My-Ft2の横尾さんがダイスキデス。

涙の跡に咲く花 ―――4月4日横尾さんの俳句に寄せて

人見知りの私にとって4月は本当に嫌な季節。特に今年は、職場で一番仲の良かった人が異動してしまった上に、1年で一番気が重い仕事もあって、毎日憂鬱な気持ちで働いています。もし横尾さんの俳句が酷評されるようなことがあったら、私、号泣するかもと思いながら、今日のプレバト!!春光戦を見ました。

 

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2019.4.4 お題「コーヒー」

 

リハ室の コーヒー苦し 八重桜

 

春光戦3位

季語:八重桜(春)

リハ室…リハーサル室

苦し…「苦い」の文語形

八重桜…花弁が6枚以上ある桜の総称。ソメイヨシノよりも2週間ほど遅く咲く。

 

披露された時にぱっと情景が目に浮かびました。コーヒーの苦さに、稽古がうまくいかない苦しさを重ね、開花の遅い八重桜にデビューが遅かったキスマイを重ね、苦しくても遅くても、きれいな花が咲くという横尾さんの想いが伝わって、胸がいっぱいになりました。

 

リハ室、コーヒー、八重桜、と全く無関係な3つの名詞が出てきますが、この取り合わせがすばらしい。夏井先生も褒めていらっしゃいましたが、「リハ室」は専門的な言葉ではあるけれど、一般の人にもぎりぎり意味が伝わる言葉で、「リハーサル室」を「リハ室」と呼び慣れているぐらい、何かパフォーマンスすることを生業としている人だということが伝わります。コーヒーの苦さ、渋さに対して、八重桜の明るさ、華やかさの対比も美しい。

 

そして、横尾担は皆さんはっとしたと思うんですけれど、「八重」で思い出すのは、横尾さんの今はもうなくなってしまった八重歯。友達に「やいば」って呼ばれたり、アイドル誌で自分のチャームポイントに挙げたりしていた横尾さんが、「八重桜」という季語を思いついた時に「八重歯」のことが重ならなかったはずはないと思うのです。横尾さんは「八重桜」に、デビューが遅かったキスマイを重ねていらっしゃいましたが、キスマイでデビューしてからもなかなか花が咲かなかった自分のことも、もちろん重なっているのだと思います。

 

でも花は咲いた。今日の写真にあった16歳の頃の横尾さんは、まさかブサイクという名のユニットで花が咲くとか、俳句で花が咲くとか、マグロの解体で花が咲くとか思ってもなかったと思いますが、想像もつかないような花が何度も咲きました。期待されて咲くべき時に咲く花もよいけれど、「悔し涙の跡に咲いた花」*1だからこそ、私はこの花に惹かれるのだと思います。

 

八重桜は、ソメイヨシノに比べて開花の時期は遅いのですが、咲いている期間は長いのだそうです。年度初めは毎年憂鬱で、花見をしているような暇はない。でも、この時期を乗り越えて落ち着いたら、八重桜を見に行こう、それまでがんばろう、と勇気をもらえた俳句でした。

*1:Kis-My-Ft2 「We never give up」