みかんいろの月

Kis-My-Ft2の横尾さんがダイスキデス。

やっぱどっかみんなヒーロー ―――8月11日横尾さんの俳句に寄せて

6月のプレバトでついに名人10段にたどりついた横尾さん。ここから先は永世名人を目指して、わずかなミスも許されない苦しい戦いになります。永世名人へつながる初査定がどうなるのか、ドキドキしながら番組を見ました。

 


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2022.8.11 お題「金魚すくい

 


浄水場の金魚 懐メロのサビ

 


永世名人への道 1つ前進(星1つ)

季語…金魚(夏)

懐メロ…「懐かしのメロディ」の略

サビ…楽曲の聴かせどころ

 

 

 

金魚で1句詠めと言われたら、お祭りの金魚すくいか、家の金魚鉢。ちょっとひねっても金魚柄の浴衣や絵葉書ぐらいしか思いつきそうにない。それを、浄水場で水質検査のために飼われている金魚を詠むという、この発想の独自性にまずは驚きました。七夕では笹を切る作業を詠み、正月には名もなき家事を詠み、コンサートでは花道に落ちたテープをせっせと拾う横尾さんらしい着眼点だと思いました。

 

それと取り合わせる言葉に「懐メロのサビ」を持ってきたのもさすがのセンス。金魚って子どもの頃を思い出すから、今の流行りの曲ではなく「懐メロ」、古い曲だから他の部分が思い出せなくて「サビ」だけ。のんびりと歌っているのだから、水質が悪化する可能性や、毒物でも流される危険がある状況ではないということ。コロナは収束しないし、遠くの国では戦争が続いているけれど、今日も長閑に金魚は泳いでいて、それを歌を口遊みながら眺めていられる程度には今の日本は平和だということを、改めて実感しました。

 

考えてみたら、これほど技術が発達したのに、水質の変化を知る一番の方法が「金魚を飼う」という昔ながらの方法であるということに、不思議さと面白さを感じます。懐メロが流行った時代よりずっと前から、水質検査は金魚が担っているのに、流行歌はめまぐるしく変わる…。こんな小さな生き物に、私たちはしっかり守られている…。

 

 

私ごとですが、仕事がたてこんでメンタルと体調をやられてしまって、昨日はデビュー記念日だというのに、今日はツアーオーラスだというのに、来週は新曲発売だというのに、プレバトしか追えてない…。「誰も私を助けてくれない」「こんなにがんばって仕事しても意味ない」と孤独に陥って、悲愴な気持ちでいたのですが、金魚が誰も知らないところで水質を守ってくれているように、気づかないところで私を支えてくれている人はたくさんいるということに思い至りました。もちろん、横尾さんも、キスマイもその1つです。そして、たぶん私の仕事も、気づいてないだけで誰かを救う、守る*1はずです。

 

 

 

*1:Kis-My-Ft2AAO」より