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みかんいろの月

Kis-My-Ft2の横尾さんがダイスキデス。

桜の迷路 ――3月16日横尾さんの俳句に寄せて

祝!俳句名人ーー!!

3月16日のプレバト!!で横尾さんがついに、俳句名人に昇格しました。番組で俳句名人は4人目。番組で競われるすべてのジャンル合わせても、ジャニーズで初めての「名人」となります。

 

横尾さんが名人昇格を決めた、渾身の一句がこちら。

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2017.3.16 お題「江ノ電と桜」

 

行け行けど 迷路のごとき 花の路

 

名人昇格

季語:花(春)

行けど…「ど」は已然形に接続して逆接の確定条件を表す助詞。「行けど」で「行くが、行くけれども」の意味

ごとき…比況の助動詞「ごとし」の連体形。「ような」の意味

花…俳句で季語として用いられるときは桜のことを指す。「花の路」は体言止めで余情を残す。

 


番組の予告で「行け行けど」だけ発表されたときから、どう続くんだろう、どう桜と結びつけるんだろうってドキドキしてたけど、「迷路のごとき」と続けて、不穏な雰囲気にしておいて、「花の路」で一気に春の光景が開ける。17字のドラマの作り方が、本当に美しい。まだ桜の季節には早いのに、満開の桜に取り囲まれた気がして、思わず息をのみました。

 

夏井先生のおっしゃる通り、「桜」でなく、「花」という語を詠み込むことで、桜を指しつつも、その意味を超えて、華やかさや、美しさ、明るさ、艶やかさを醸し出しています。

 

桜の花って、美しいもの、日本らしいもの、幸せや平和の象徴ではありますが、実は妖艶さや狂気もはらんでいるような気がします。藤ヶ谷さんが4月から出演されるドラマ、「櫻子さんの足元には死体が埋まっている」のタイトルの元ネタになっている、梶井基次郎桜の樹の下には』の有名な冒頭部分。

 
 桜の樹の下には屍体が埋まっている!
 これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。

 

 死体から養分を吸い取って艶やかに咲く桜。そう想像したくなるような妖しさや怖さが、確かに桜にはあります。迷路のような桜の路は、まさに私の歩むヲタクの道みたいなもの。美しい、幸せ。だけど時に、妖しい、狂おしい、怖い、苦しい。行きつく先はわからない。一寸先は奈落かもしれない。永遠に出られないのかもしれない。でも、うつくしくて、あたたかくて、あまい迷路。ずっと囚われていたいような…。


横尾さんは俳句の名人になりました。でも名人になっても、表現の世界は終わりのない迷路。世界初の俳句のできるアイドルになった横尾さんが進むべき道は、誰も示してはくれません。今日の梅沢さんのように降格の憂き目を見ることもあるかもしれません。でも、行く先が見えなかったとしても、電車はレールがあるのだから、走り続ければ、きっとゴールにたどりつくのだと思います。

 

横尾さんのことは、性格も、容姿も、歌も、ダンスも大好きだけれど、横尾さんの発する言葉が、私は何よりも好きなのだと、改めて思いました。テレビやラジオや雑誌で、横尾さんの唇からこぼれる、オレンジ色の花のような言葉を拾い集めるのに忙しいから、それ以外のことなんか追いかけている暇がない。私は、これからも、桜の迷路の中で、横尾さんを応援し続けていたいと思います。