みかんいろの月

Kis-My-Ft2の横尾さんがダイスキデス。

地図のない旅に出よう ―――1月12日横尾さんの俳句に寄せて

プレバト!冬麗戦は、昨年1年間で優秀句を詠んだ15人が新しく俳句を詠み、そのうちの10位までが披露されます。炎帝戦では11位以下で披露の機会を失ってしまった横尾さんの俳句は、果たして披露されるのか、ドキドキしながら番組を見ました。

 

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2023.1.12 お題「ラッキー」

 

初旅は海へ 黄色の京急

 

冬麗戦8位

季語:初旅(新年)

初旅…その年初めての旅

京急(けいきゅう)…京浜急行電鉄の略称。本線は泉岳寺駅から浦賀駅までをつなぐ。「沿線に幸せを運ぶ電車」として、特別に黄色に塗装された「京急イエローハッピートレイン」が運行されることがある

来(く)…「来る」の古語。カ行変格活用

 

横尾さんにとっては不本意な成績なのかもしれませんが、とにかく披露されてよかった。京急の黄色い電車と同じで、私にとっては横尾さんの俳句が幸せを運ぶ言葉。目にすることができて本当にラッキーでした。

 

やはり横尾担の皆様におかれましては、この俳句が披露されてまず「ぶらり途中下車の旅」が思い浮かんだのではないでしょうか。昨年、初めて「旅人」に抜擢されて、すぐにもう1回、そして年末のスペシャル版にも抜擢されるハマりっぷりとなりました。横尾さんの気負いすぎない感じや、礼儀正しさとフレンドリーさのちょうど良い塩梅が、番組の雰囲気にしっかり合っていると思います。

 

京急」という固有名詞で、暖かな三浦半島に向かうこともわかるし、古語好きの私としては、「来」という古語をしっかり使ってきたのもポイント高い。「初旅は海へ」というテンションの高い前半と、古語を使った格調の高い後半の対比、青い海と黄色い電車の取り合わせ、五七五の定型を守りながら、しっかり句またがりを入れて来る等、よい出来だと思うのですが、これで8位だなんてレベルが高すぎる…。

 

「海へ向かう黄色い電車」と言えば、「千と千尋の神隠し」で銭婆の家に向かった千尋が乗ったのも黄色(と赤)の電車でした。ハクを助けるために片道切符だけもらって電車に乗った千尋。自分のためではなく他人のためにとったその行動は、ハクが自分の名前を取り戻すきっかけになっただけでなく、カオナシの居場所を作り、坊を自立させ、千尋の両親を救うことにもつながりました。今日、フルポン村上さんが10位って発表されて、びっくりして思わず立ち上がってしまったけれど、すぐにカメラに被っていると思ってさっと屈んだ、気づかい永世名人横尾さんの、俳句の旅が幸せな終着駅にたどりつくことをお祈りしています。

 

※タイトルはKis-My-Ft2「若者たち」の歌詞より引用しました。