みかんいろの月

Kis-My-Ft2の横尾さんがダイスキデス。

君は心照らす太陽 ―――5月13日横尾さんの俳句に寄せて

横尾さんがプレバトで披露した俳句は、これまでで47句になりますが、この初夏の時期に詠まれた俳句って案外少なくて、5月にプレバトで詠んだのは、昨年の「玄関に貼るありがとう夕立晴れ」ぐらい。35年前に天使がこの世に転生した、この美しい5月という初夏の候に、横尾さんがどんな俳句を詠むのか、今日の「プレバト」を楽しみにしていました。

 

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2021.5.13 お題「シューズ売り場」

 

披露宴 白靴の スタッズ眩し

 

現状維持

季語…白靴(夏)

スタッズ…鞄や靴に飾りつける鋲(びょう)

眩(まぶ)し…「まぶしい」の古語

 

まずはっとしたのは語順。最近の横尾さんの俳句は破調が多くて、前回の春光戦では七五五、その前は四六七、五九三など、さまざまありましたが、今回は五五七。語順を入れ替えて「白靴の スタッズ眩し 披露宴」としても意味は変わらないし、その方が定型俳句になって落ち着きもよさそうだし、季語を最初に持ってきて強調するというセオリーにも合っていて、凡人だったら絶対そうするのに、そうはしなかったところがさすが名人六段、春光戦覇者だと思いました。「披露宴」という華やかで広い世界から始めて、「白靴のスタッズ」という足元の小さな一点に収束していく視点の動きの面白さを感じます。句の意図は、友人の結婚式に気合を入れてスタッズのついた靴を履いていった時の、場違いで恥ずかしい感情とのことですが、今日の日の主役である晴れやかな新郎新婦に対して、「靴なんかを気にしてしまっている卑小な自分」を客観的に捉えるおもしろさがあると思いました。これが「白靴のスタッズ眩し披露宴」だったら、「白靴」である程度ハレの舞台だということは予想がつくし、ぼんやりした俳句になってしまう。前にラジオで北山さんがおっしゃっていたように、「(五七五という)ルールはもうないのよ。でもルールはあるのよ」というすごい次元で俳句を詠んでいる横尾さんを誇りに思います。

 

「スタッズ」という新しい言葉を、俳句に詠み込む感性も素敵だと思いました。スタッズとは、靴につけられた金属の鋲のことですが、もちろんそれ自体が発光するわけではありません。当たった光を反射して輝くものです。それで、5月7日に公開になった、横尾さんのソロ曲「僕を照らすモノ」を連想しました。僕を導くお兄さんは「太陽」、その太陽に照らされる「月」は自分だと歌う横尾さん。でも、それは横尾さんが、与えられた光をちゃんと反射できる人であり、照らしてあげたいと思わせる人であるからだと思うのです。

 

結果は残念ながら現状維持。夏井先生から「披露宴」を「婚祝う」と直せば主役がはっきりすると直しがありましたが、「白靴のスタッズ眩し」という確かな描写を褒めてもくださいました。ご指導くださる夏井先生も、「一皮も二皮もむけた」と褒めてくださる梅沢さんも、春光戦で優勝した横尾さんを「先生」「先生」といじるキスマイメンバーも、みんな横尾さんを照らす光なのだと思います。横尾さんが努力して結果を残してきたからこそ、みんなが光を当ててくれるのだと思います。そして、みんなの光を反射して輝く横尾さんこそが、いつだって私を照らし、導いてくれる太陽です。

 


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※タイトルは、Kis-My-Ft2「ツバサ」より。