みかんいろの月

Kis-My-Ft2の横尾さんがダイスキデス。

三月の果 ―――3月31日横尾さんの俳句に寄せて

優勝から1年、再び春光戦がやってきました。春の句に強い横尾さんならきっと大丈夫と思っていたけれど、お題が今までにない傾向の「ハプニング」と聞いて、ドキドキしながら、プレバト!春光戦を見ました。

 

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2022.3.31 お題「ハプニング」

 

日曜の 空港ホテル 雪の果(はて)

 

春光戦4位

季語:雪の果(春)

雪の果…その年最後に降る雪

 


番組では「日曜の空港ホテル」だけでは状況が分かりにくいと指摘されていましたが、キス担は全員すぐに「ライブツアー!!」と思ったと思います。まさに先週末、北海道で行われたKis-My-Ft2のライブは、直前まで3月末の北海道は大雪が降ることもあるため、無事に開催されるか心配されていました。結果は、大雪が降ることはなく、久しぶりのライブは滞りなく開催され、帰路も雪に閉ざされることなく済んだわけですが、キス担が心配していた以上に、主催者側のキスマイやスタッフも心配していたはずで、そんな体験が句になったのかなと思いました。

 

その年最後の雪を「雪の果(はて)」と言い、春の季語であることは初めて知りました。「果て」という言葉は、なんとなく「朽ち果てる」とか「地の果て」とかマイナスイメージがあるような印象だったのですが、冬の間、災害をもたらし、人間の行動を閉ざしてきた雪も、春になれば終わりがくるのだという希望を感じさせる言葉にもなることに気づきました。

 


春光戦の度に書いているような気がしますが、私の職場は3月の初めに人事異動が発表されて、4月1日が異動日なので、3月は本当に嫌な季節。特に今年は頼りにしていた人や相談に乗ってもらっていた人が職場を去ることになり、ありとあらゆるストレス症状が身体に表われて、自分史上最大に嫌な3月でした。でも、今日、親しかった人と涙でお別れして3月は終わり、明日から新しい月になる。また気持ちを切り替えて、働くしかない。もう3月は果てたのだから。

 

「果て」という言葉で思い出すのは、キスマイの「One Kiss」。1番が「照れ隠し 進めない数センチの果て One Kiss」2番が「閉ざされるの恐れた 数秒が果て One Kiss」。歌詞の解釈は様々だと思いますが、私は1番は「恋人未満」の関係から進めない、2番は数秒のためらいの後ついに「恋人」へと踏み出したと読みました。同じ「果て」という言葉を使って違う状況を表した、おもしろい歌詞だと思います。

 

結果は4位で、シード権はもらえず、1年飾られた肖像画も交代することとなりました。でも基本の五七五に立ち返って、永世名人2人を抑えて4位に入ったこと、大健闘だと思います。きっとまた、タイトル戦の頂上に返り咲く日が来るでしょう。「微睡(まどろ)んだ午後の果て」に「二度とはない史上最高を何度でも塗り替えて行ける」から!*1

*1:Kis-My-Ft2「Sailing」