みかんいろの月

Kis-My-Ft2の横尾さんがダイスキデス。

やさしさに包まれたなら ―――1月6日横尾さんの俳句に寄せて

あけましておめでとうございます。

横尾さん好き好き言ってるだけのブログですが、よろしければ今年もお付き合いください。

 

最近何か調子でないなーと思っていたら、横尾さんの俳句が足りてなかった。前にプレバトに出演したのは9月30日の金秋戦で、そこから3カ月ぶりの出演となりました。初出演以来、こんなに間隔が空いたのは初めてのことで、テレビの前で祈るのも久しぶりだなーと思いながら番組を見ました。

 


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2022.1.6 お題「カーテンを開けた瞬間」

 

凍空の 窓をゴンドラ 紅茶の香

 

現状維持

季語:凍空(冬)

凍空(いてぞら)…凍りついたように寒い冬の日の空

ゴンドラ…人が乗り込むことができる箱状・籠状の乗り物の呼称

 


梅沢さんや夏井先生からもご指摘ありましたが、私は披露された瞬間、ゴンドラリフトのことかと思いました。雪山のホテルでカーテンを開けたら、スキー客を乗せたゴンドラリフトが登っていく光景?でもわざわざ雪山まで来て部屋で紅茶飲んでる意味ないか…と思っていたら、窓ふきのゴンドラとのこと。それでようやく情景がわかりました。高層ビルなどない、ど田舎の住民なので、窓ふきは思い浮かばなかった。梅沢さんはベネツィアが思い浮かんだとおっしゃっていたし、気球や高所作業の昇降機が思い浮かぶ人もいるだろうし、お店で商品を並べる棚のこともこう呼ぶし、「ゴンドラ」って生活環境によって思い浮かぶものが変わる、面白い言葉だなと思いました。

 

私が感心したのは、凡人だったら「ゴンドラ下りてゆく」とか動詞をいれそうなものなのに「窓をゴンドラ」で止めたところ。これが「窓に」だったら動きがないけれど、「窓を」としたことでゴンドラが動いていくのを表現して、「下りる」等の動詞をばっさり省略した勇気がさすがだと思いました。そのおかげで下五で部屋の中の情景が描けます。それを「紅茶の香」とすることで、外の寒さと中の暖かさ、命がけで働く人と優雅に休んでいる人の対比がはっきりと表現されて見事だと思います。いつも思いますが、17音しか使っていないと思えない表現の濃さ。

 

そして、「『カーテンを開けた瞬間』で一句詠め」と言われて、窓ふきの作業員さんのことを詠む横尾さんの感性が大好きです。これまでも、「玄関に貼る『ありがとう』夕立晴」ではデリバリーの人に感謝し、「遠雷の夜汽車カカオの奴隷史」ではカカオ農場の農夫に思いを馳せ、「七日の名もなき家事パズルの樹氷」では家事をする人にスポットを当てた横尾さん。一生懸命働く人への横尾さんのやさしいまなざしに、新年早々勇気づけられた思いがしました。そしてそれは、私たち横尾担から横尾さんへのまなざしでもあります。時として足の引っ張り合い、人気の奪い合いも起こる寒々とした芸能界で、俳句を磨き、料理を考案し、民謡を勉強して働く横尾さんを、モニターや液晶画面の窓の内側から見て、仕事の疲れを癒す私たち。世界はそうやって、みんなのやさしさに包まれているという事実に心が温まる気がしました。

 

ゴンドラが「人が乗り込むことができる箱状・籠状の乗り物の呼称」という意味ならば、ライブで使うトロッコも広い意味では「ゴンドラ」と言えるのでしょうか。もうすぐライブツアーだというのに、世の中はまた、雲行きが怪しくなってきました。凍空の下、リハーサルを重ねてきたキスマイのトロッコが、どうか最後まで駆け抜けますように。

 

 

 

※タイトルは、「魔女の宅急便」のエンドソング「やさしさに包まれたなら」(荒井由実)より。歌詞の「カーテンを開いて」からの連想です。