みかんいろの月

Kis-My-Ft2の横尾さんがダイスキデス。

霧が晴れて、光が射して、花が咲く ―――6月16日横尾さんの俳句に寄せて

祝!名人10段!!

初挑戦から7年、名人昇格から5年、番組で詠むこと59句。ついにたどりついた番組最高位、本当に本当におめでとうございます。

 

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2022.6.16 お題「クーポン券」

 

夕虹の A席 タイムラプスの街

 

名人10段昇格

季語:夕虹(夏)

夕虹…夕方に立つ虹

タイムラプス…1枚ずつ撮った写真をつなぎ合わせてコマ送り動画にする撮影手法

 

 

披露された瞬間切なさに胸打たれました。旅行に行った帰りの飛行機の、着陸寸前に街を見下ろす時の気持ちが、久しぶりによみがえりました。「旅行はあんなに楽しかったのに、また憂鬱な日常に戻るんだ」という恐ろしさ、たくさんの灯のひとつひとつに人がいて、日々の暮らしを営んでいるんだという愛おしさ、帰るところがあるから旅に出られるんだという安心感…。コロナ禍で飛行機にも乗っていないから、そんな気持ちを久しぶりに思い出して、胸がいっぱいになりました。

 

横尾さんってすごいと思ったのは、まず、夕虹とA席を「の」でつないだこと。助詞の「の」は、主格、同格、連体修飾格、体言の代用、比喩の働きがあるけれど、どれでも説明がつかない。文法的に正しく表記すれば「夕虹が見えるA席」なのだろうけど、それを「の」で大丈夫と判断した勇気。その結果「A席」が夕虹に彩られた、祝福された席のようにも思えます。これは俳句をたくさん勉強して、たくさん詠んでこなければたどりつけない発想だと思います。

 

そして「タイムラプス」という新しい言葉を俳句に取り入れる勇気。横尾さんのソロ曲「僕を照らすモノ」でも冒頭と2番終わりあたりで、井上直久さんの作画のタイムラプスの映像を使用しているので、横尾さんはそこでタイムラプスという言葉を知ったのではないかと思っているのですが、どうでしょう。そして、飛行機の窓から見える街を「タイムラプスの街」と表現する感性もすばらしいと思います。

 

そして「夕虹」という言葉。キスマイはメンバー7人だから、グッズ等にもたびたび虹が使われていることがあって、おそらく横尾さんにとっても辞書以上の意味がある言葉だと思います。2年前の炎帝戦予選で詠んで惜しくも2位で本選に進めなかった「夕虹や デビュー知らせし 茶封筒」のリベンジにもなりました。夕方は横尾さんのメンバーカラーのオレンジに空が染まる時間で、タイムラプスはソロ曲のPVで使った技法。こんな想いの詰まった言葉を使った句で10段昇格を決めたこと、本当に嬉しく思います。5年間の名人修行から抜け出し、光射す10段の地位に昇りつめた横尾さんが、永世名人になって句集という花が咲くまでずっと応援していたいと思います。

 

 

 

*タイトルは、Kis-My-Ft2「Invitation」